パーキンソン病センター

リハビリテーション

言語聴覚療法(Speech Therapist)

 私たち言語聴覚士は、様々なコミュニケーション障害や、嚥下障害をはじめとした食事の問題に対して、専門的なリハビリテーションを行っています。

コミュニケーション障害

 パーキンソン病によって生じるコミュニケーション障害には、声が出にくくなる/小さくなる、声がかすれる(嗄声)、発音がはっきりしなくなる(構音障害)、話し始めの音を繰り返してしまう、早口、唾液が口の中に溜まって話しにくくなる、といったものがあります。
 また、自分は大きな声を出しているつもりでも声が出ていなかったり、その逆でしっかり声が出ているのに相手に伝わっているか不安になる、といった、自分の声や話し方に対する認識のズレが生じることもあります。  このように症状は多岐にわたりますが、これら全てが必ず生じるわけではなく、人それぞれの症状は異なります。そして、運動障害として声が小さくなったり発音がはっきりしなくなることに加え、自分の声に対する認識のズレという要因があることで、自分の思うように話せなくなるということが、パーキンソン病のコミュニケーション障害の特徴であると言えます。
 そこで、声や発音に対しては、発声訓練、構音訓練、口腔機能訓練といった運動学的なリハビリテーションを行います。同時に、声に対する認識や話し方について、その方のその時点での症状を分析し、それを伝え、理解していただくことを通して、発声・発音の仕方が改善できるようにアプローチをしています。  

食事の障害 摂食・嚥下障害

 食事においては、のどにつかえる感じがある、むせやすい、薬が飲みにくい、うまく噛めない、口が渇く、といった症状が考えられます。また、手や体のふるえ(振戦やジスキネジアなど)により、食べ物を口に運ぶことが上手くいかなくなる場合もあります。
 このように、思うように食事が摂れなくなることで、昨今言われている誤嚥性肺炎や窒息だけでなく、食欲の低下、低栄養や脱水を引き起こしたり、パーキンソン病治療で重要な内服が困難になるといった極めて重大なリスクが生じることもあります。
 対応としては、食べるために必要な口や舌、のどの機能訓練と併せて、食事の工夫として食べやすい食材や調理方法、飲み込みの機能に合わせた内服の仕方の提案などをさせていただきます。また、摂食動作が難しい場合には作業療法士と連携して自助具などの検討も行います。  特に飲み込みの障害(嚥下障害)については、障害の仕組みや原因が複雑かつ多岐にわたることもあり、当院では積極的に嚥下造影(VF)などの専門的な検査を実施し、正確な障害像の把握に努め、適切なアプローチが提供できるように努めています。  

嚥下造影検査の様子