
我が国における脳性麻痺の定義としては公式には1968年に定められた厚生省脳性麻痺研究班のものが用いられている.
『受胎から4週間以内の新生児までの間に生じた,脳の非進行性病変に基づく,永続的な,しかし変化しうる運動および姿勢の異常である.その症状は満2才までに発現する.進行性疾患や一過性運動障害,または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅滞は除外する.』
ここで言わんとするPointは
病因に関しては次の5群に分けられるという(杉本ら).
| ・胎生初期から中期:脳形成異常(神経細胞遊走障害) | 34% |
| ・胎生中期から分娩直後:脳血管障害(脳梗塞,脳室脳軟化症,頭蓋内出血) | 46% |
| ・中枢神経感染症(主に胎内サイトメガロウィルス感染) | 6% |
| ・分娩時仮死 | 12% |
| ・原因不明 |
滋賀県における1977-1986年の間の統計では発生頻度は1.09/1000(児童)となっている.この中で従来は脳性麻痺児の約30%であった未熟児の占める割合が新生児医療の進歩により50-60%と増加したことが報告されている.
一方,姫路市における脳性麻痺の発生動向を検討した報告では次のような結果が記載されている.
| 1983-1987年度 | : | 1.4人/1000出生 |
| 1988-1992年度 | : | 2.0人/1000出生 |
すなわち脳性麻痺の発生率は増加傾向にあり,その原因として脳室周囲白質軟化症の増加を指摘している.