A:日本では,人口1000人あたり8人以上の割合でてんかんの患者がいると推計されています.そのうちクスリではてんかん発作が止まらないために日常生活に支障をきたすようなてんかんを難治性てんかん(治りにくいてんかんという意味)といいます.難治性てんかんをもつ患者に対して脳外科的な手術をおこなって,てんかん発作を止めようとする治療法をてんかんの外科治療といいます.しかし,手術はてんかんという病気そのものを治すものではありません.発作を止めるための1つの治療です.安全に脳を手術しててんかん発作がなくなるか発作を減らすことができる可能性が高くなければ,外科治療をすすめる意味はありません.クスリで治るような,あるいはクスリで発作が止まっているような患者を手術することはありません.
てんかん患者の約70〜80%はクスリで発作をなくすことができるてんかんです.約15〜20%が難治性てんかん患者です.他の5〜10%は,発作が止まらなくても発作の回数も少なく,日常生活には問題のない例が含まれます.難治性てんかんの中から手術をした方がいいという患者をきびしく選び出すと全患者の4〜5%が手術の対象となります.手術の対象となる患者は,発作の回数や程度などだけでは決められません.てんかん専門医やてんかん外科医の評価が必要です.日本ではてんかんの外科手術を行える施設がまだ限られています.