A:言語野や運動野に焦点がある場合は,切除術を行うとかならず後遺症が出ます.したがって,以前は手術ができませんでした.しかし,1989年にアメリカのモレルというてんかん医が軟膜下皮質多切術という画期的な手術法を考案し発表したことにより,この部の焦点に対して手術が可能となり,増えつつあります.
その優れた理論は図のようなものです.てんかんは厚さ4mmの皮質で起こります.それが横方向に伝わっててんかんとして広がりますので5mm間隔で皮質に切れ込みを入れるとてんかんは横へ伝わらなくなります.運動野から手や足の方に命令を伝える神経は皮質の下にある白質という方向つまり縦の方向に伸びていますので,この手術のやり方では縦方向にのびる神経を切断しないことになり運動の命令は正しく伝わります.したがって,手足の麻痺が後遺症として残ることは少なくなります.手術直後は切れ目を入れたところが腫れたりすることにより一過性に麻痺が出たりする場合がありますが,1〜2週間で麻痺は治ってしまいます.