てんかんの外科治療Q&A -16-

 Q:手術により起きうる合併症と後遺症について教えてください.

A:脳神経外科手術の後に一般的に起こりうる合併症と後遺症と,てんかんの手術に特異的に起こりうる合併症と後遺症を分けて考えなければいけません.

脳神経外科手術にともなう一般的な合併症は,術後の頭蓋内出血,感染症,髄液漏(頭蓋内からの水漏れ),術後けいれんなどがありますが,その頻度は5%程度と考えます.ほとんどが一時的のものですが,これらの術後合併症が重症の場合には片麻痺や言語障害などが後遺症として残ることがあります.その確率は1%です.脳神経外科医はこのような合併症をなくすように細心の注意を払って手術を行っていますが,完全ということはありえません.

てんかんの手術にともなう合併症も硬膜下電極留置と切除術などの手術とでは多少異なります.硬膜下電極留置術では電極リードを何本も頭蓋外に出さなければいけませんので髄液漏の危険が非常に高くなります.水漏れだけでは問題ありませんが,水漏れが続くとそれに伴う感染の危険も大きいので,抗生物質の投与などで髄膜炎を防止しなければいけません.髄膜炎の可能性は2〜3%です.髄液漏を防止するためにいろいろの工夫が行われます.

切除術の合併症は術後の頭蓋内出血,感染症,髄液漏,術後けいれん,脳梗塞などで2〜3%と考えられます.その他に切除に伴う機能的合併症として単麻痺,片麻痺,言語障害,記銘力障害,視野障害などがあり,重症の場合は後遺症として残ることがあります.手術の種類により術後合併症の可能性に多少の差があります.しかし機能地図の作成など後遺症の出ないような手術を目指していますから,永久的な後遺症の確率は1%程度です.

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