
免疫とは、本来、細菌などの外敵から身を守るための機能ですが、それが自分に向けられた状態を自己免疫疾患と総称します。神経内科領域においても多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎、重症筋無力症などがその範疇に入ります。
多発性硬化症は中枢神経線維を覆う髄鞘が壊される病気です。症状は、障害される部位により視力障害から運動麻痺、感覚障害、排尿障害などさまざまです。治療は、急性期にはステロイドの治療(点滴→内服)、慢性期にはリハビリテーションや対症療法、再発予防にはインターフェロンβを行います。多くは再発・寛解を繰り返し、一部は次第に進行性の経過をとります。
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)は末梢神経線維を覆う髄鞘が壊される病気です。手足の感覚障害や運動麻痺などをきたします。治療はステロイド療法、免疫グロブリン静注療法、血漿交換療法、免疫抑制療法などがあります。
重症筋無力症は筋肉と末梢神経の接合部が障害される病気です.症状は筋肉の易疲労性や筋力低下です.眼に限局するタイプと全身に症状が及ぶタイプがあります.治療は対症療法としてのコリンエステラーゼ阻害薬の内服や,免疫療法として胸腺摘出術やステロイドや免疫抑制剤の内服,血漿交換療法などがあります.治療により約半数の方が発症前と同じ状態に回復します。