呼吸器疾患で使用される薬剤について

気管支拡張剤

去痰剤

鎮咳剤(せきどめ)

副腎皮質ステロイドホルモン

抗菌剤

利尿剤・強心剤

抗アレルギー剤

吸入薬(ハンドネブライザーの使い方)


はじめに

ご自分の飲んでいる薬の薬効をご存じでしょうか.病気についてと同様,使用している薬についても理解しておいた方がよいと思います.薬の使用法によっては,効果がなかったり,危険なこともあります.また,かかりつけの病院以外を受診する際には,使用中の薬を担当医に伝える必要があります.吸入薬は吸入の仕方が下手では効果が期待できません.吸入指導を受けて正しい吸入の仕方をマスターしてください.


気管支拡張剤

狭窄した気管支を広げる作用があります.大きく分けると作用機序の異なるものが3つあります.また,投与経路としては内服・注射・吸入薬があります.気管支喘息・肺気腫など喘鳴の出るような病態に使われることが多い薬です.

テオフィリン製剤(内服,注射):食欲不振・吐き気・動悸・頭痛などが起こる可能性があります.また,量の調節が難しい場合があります.

交感神経刺激薬(吸入,内服,注射,貼付):動悸や手のふるえなどが起こる可能性があります.比較的効果がすぐに現れるため,過量使用になる傾向がありますが,医師の指示を守ってください.

抗コリン剤(吸入):吐き気や口渇が出ることがあります.前立腺肥大・緑内障の方には使用しません.


去痰剤

作用機序のことなるものが数種類ありますが,いずれも痰の喀出を容易にするものです.副作用の頻度は低いですが,消化器症状などがときに見られます.


鎮咳剤

咳止めのことです.中枢神経に作用するものと,末梢に作用するものがあります.咳は生理的な防御反射ですので,抑えればよいわけではありません.過度の咳で体力が消耗したり不眠になるようなときに使用します.副作用としては,便秘や眠気が起こることがあります.


副腎皮質ステロイドホルモン(内服・注射・吸入)

副腎という臓器から生理的にも分泌されているホルモンです.作用としてはアレルギー反応や炎症を抑える働きがあります.気管支喘息や間質性肺炎などに使用されます.急性期には内服や注射が使用されますが,慢性期は吸入剤を使用することが多いです.喘息の治療としては,軽症より使用されています.内服や注射で長期に使用した場合の副作用としては,易感染性・糖尿病・高脂血症・骨粗鬆症・胃潰瘍・満月様顔貌・皮膚の萎縮などあります.また,副作用を恐れるあまり,医師の指示を守らず急にこの薬をやめると病状が悪化したり,離脱症候群を起こす可能性があり,注意が必要です.


抗菌剤(内服・注射)

細菌感染が起こったときに抗菌作用を期待して使用する薬です.セフェム系・ペニシリン系・ニューキノロン系・カルバペネム系・マクロライド系などさまざまな種類があります.それぞれ抗菌作用と効果のある菌に特徴があり,医師は喀痰検査の結果や患者さんの状態をみて選択して使用します.副作用としては,アレルギー反応・発疹・消化器症状(食欲不振や下痢など)・肝機能障害・腎機能障害などです.

また,マクロライド系抗菌剤を少量づつ長期にわたって使用することで,気管支の慢性炎症を抑えることがあり,特にびまん性汎細気管支炎の特効薬として知られています.


利尿薬・強心剤(内服・注射)

心臓に負荷がかかって,むくみや心不全を起こすようになった場合に使用します.尿量を増やすことによって,循環血漿量を減らし,心臓にかかる負荷を軽減します.低カリウム血症や,過度に使った場合脱水や腎機能障害をを起こすことがあります.また,脈が速くなるような場合はジギタリスという強心剤を使用することもあります.


抗アレルギー剤(内服・吸入)

アレルギーが関与する気管支喘息などに使用され,アレルギー反応を抑える薬です.抗ヒスタミン作用のあるものとないものに分けられます.作用機序が様々で,薬剤の種類も多いです.副作用としては,薬剤により様々ですが,抗ヒスタミン作用のあるものは眠気が起こることがあります.


吸入薬(ハンドネブライザー;指で押すと一定量の薬剤が霧状になって噴霧されます)の使用法

吸入補助器具(スペーサー)を使用する場合

手間がかかりますが,吸入の下手な人でも上手く吸入でき,口腔粘膜への薬剤付着が少なくて済みます.スペーサーにもいくつかの種類があります.

吸入補助器具(スペーサー)を使用しない場合

オープンマウス法;ネブライザーを口から数cm離して噴霧する方法です

クローズドマウス法;ネブライザーを軽く口にくわえて噴霧する方法です

吸入が下手では,せっかくの薬剤が末梢気道まで届かず,効果が半減してしまいます.薬剤指導の際に吸入指導も受け,吸入法をマスターしてください.