肺気腫


肺気腫とは?
肺気腫の原因
肺気腫の症状
肺気腫の診断
肺気腫の治療


関連するページとして,肺気腫の外科治療慢性呼吸不全慢性呼吸不全の包括的リハビリテーションの項もご覧下さい.


肺気腫とは?

肺気腫とは、呼吸細気管支と肺胞が拡張し、破壊される疾患です。肺胞とは、酸素と二酸化炭素を交換する組織です。拡張、破壊により、息を吸うときには、肺に空気が入っていきますが、吐き出すときにうまく空気が肺から出て行かなくなります。 徐々に進行し、肺胞が拡張と破壊を繰り返すと、ブラという袋を形成してしまいます。そうして、正常の肺の血管が細くなったり、肺全体が膨張し、呼吸筋である横隔膜を押し下げたり、心臓を圧迫したりします。自覚としては、体動時の息切れや息苦しさを感じてきます。その後、胸郭が前後に張り出したり,自分のペースで平地を歩いていても,安静にしていても呼吸困難を生じるようになります.

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肺気腫の原因

肺気腫の原因は、不明ですが、肺気腫患者の8割以上が喫煙者であることが報告されています。また、α1ートリプシンという酵素が先天的に欠損している場合に、環境因子が加わって発症することもわかっています。その他に、家族集積性があることなどから、遺伝的要素も推定されています。発病時に、煙草を直ちに中止しても、病気の進行をなくすことはできません。しかし、そのまま吸い続けると、肺気腫の急激な進行も予想されます。したがって、副流煙のことも考え、禁煙することが最重要と考えます。

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肺気腫の症状

自覚症状としては、息切れ、咳、痰、痩せが、主たる症状です。息切れは、季節変動や、日内変動がそれほど著しくなく、体動時に強くなり、休むと改善します。咳は、肺気腫に感染症を伴ったり、肺性心になったときなど、急性増悪の時に多く認められます。痰は、慢性の気道炎症により過剰になった、気道分泌物によるものですが、やはり、急性増悪の時に多く認められます。

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肺気腫の診断

肺気腫の確定診断は、肺の組織を採取し、顕微鏡で観察し、初めて決定されます。肺線維化の所見を認めず、呼吸細気管支壁または肺胞壁の破壊と拡張が病理形態的に確認されることが必要です。 しかし、肺の組織を採取することは、患者さんの苦痛を伴いますので、通常は、胸部レントゲン写真とCT写真、呼吸機能、血液検査などから総合的に判断します。

胸部レントゲン写真;ビール樽様の胸郭変型、血管影の低下、横隔膜の平低化、肋骨間の開大、中心部肺血管の圧迫と心臓の圧迫(滴状心)など
呼吸器機能;一秒量、率、V50、V25の低下、残気量の上昇など

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肺気腫の治療

肺気腫は、いったん発病してしまったら途中で病気の進行を止めることはできません。ですから、肺気腫に罹患しないことが重要です。原因として最も考えられている,煙草を吸わないことが、最大限の予防と思わます。

・初期
 階段の昇降や坂道での息切れや、息苦しさを自覚したての時には、肺での空気の出し入れがしやすくるように、気管支拡張薬の内服や、気道のクリーニングのために、痰を出しやすくなる薬を内服します。また、気管支を拡張する目的で、β刺激薬や抗コリン薬等を併用されることもあります。
 日常の生活については、特に神経質になることはありませんが、規則正しい生活をして、体力を落とさないことが大切です。風邪をこじらせると肺炎になりやすいので、早めの治療が必要です。肥満の方は呼吸筋のはたらきをよくするために、ダイエットしたほうが経過が良い様です。やせ過ぎの方は、良質の蛋白質を多めに摂取するように心がけて下さい。息切れのため、運動が億劫になりがちですが、適度の運動は必要です。
 専門機関で、呼吸リハビリテーションを受け、呼吸法について指導を受けるのも、良い方法と考えます。当院では包括的呼吸リハビリテーションを行っていますので、呼吸器外来受診時に希望の方はお申し出下さい。
・急性増悪期
 気道や肺の感染症、肺性心などを合併すると、呼吸苦が増悪します。呼吸困難感が、強くなった場合には、すぐかかりつけの医療機関に相談して下さい。抗生物質の点滴や、利尿剤など、原因に見合った治療が行われます。一次的に酸素の吸入が必要になる場合もあります。 
・進行期
 自律訓練によるリラクゼーションや呼吸リハビリ、適度な運動を続けてください。内服薬も規則正しく継続して下さい。それでも呼吸苦が続く様なら、在宅酸素療法が必要なこともあります。炭酸ガスが貯留し、頭痛や冷汗、思考力の低下などが生じる場合もあります。そのため専門の医療機関への受診が必須です。

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